
舌下免疫療法とは
舌下免疫療法(ぜっかめんえきりょうほう)とは、スギ花粉症やダニによるアレルギー性鼻炎などに対する根本的な体質改善を目指す治療法です。
アレルギーの原因となる物質(アレルゲン)を少量ずつ舌の下に投与し、身体を徐々に慣らすことで免疫反応を正常化させ、症状を軽減・抑制します。
従来は皮下注射による「アレルゲン免疫療法」が主流でしたが、舌下免疫療法は自宅で毎日服用でき、痛みもほとんどないため、患者さまへの負担が少なく続けやすいのが特徴です。
この治療は即効性があるわけではなく、少なくとも2〜3年以上継続する必要がありますが、根本的な体質改善が期待でき、シーズン中の薬の使用量を減らすことができる場合もあります。
特に、花粉症シーズンになると毎年つらい症状に悩まされる方や、市販薬や点鼻薬で十分な効果が得られない方に適した治療です。
アレルギー症状を和らげ、生活の質(QOL)を向上させるための新しい選択肢として注目されています。
対象となる症状
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スギ花粉症(花粉による鼻水・くしゃみ・目のかゆみなど)
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ダニによるアレルギー性鼻炎(通年性鼻炎)
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季節性アレルギー症状が毎年強く出る方
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抗ヒスタミン薬などの服薬で十分な改善が得られない方
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薬の副作用(眠気など)で日常生活に支障がある方
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将来的に症状を軽減し、薬を減らしたいと考えている方
治療薬について

舌下免疫療法で使用する薬は、アレルギーの原因物質(アレルゲン)を含んだ錠剤や液体です。
代表的なものに、スギ花粉症に対する「シダキュア®」、ダニアレルギーに対する「ミティキュア®」があります。
これらの薬は毎日自宅で舌の下に1分間ほど保持した後、飲み込みます。
最初の服用は安全性確認のため必ず医療機関で行い、以後は自宅で継続します。
舌下免疫療法で期待できる効果
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アレルギー症状(鼻水、鼻づまり、くしゃみ、目のかゆみなど)の軽減
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花粉症やダニアレルギー症状の発症予防
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花粉シーズン中の薬の使用量を減らせる可能性
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長期的な体質改善による根本的な症状コントロール
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日常生活の質(QOL)の向上、仕事や学業への支障軽減
舌下免疫療法の副作用・注意点
舌下免疫療法は安全性の高い治療法ですが、稀にアレルギー反応を起こすリスクがあります。
そのため、初回は必ず医療機関で服用し、医師の管理下で安全性を確認することが大切です。
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口の中のかゆみや腫れ、舌や唇の違和感
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喉のかゆみ、軽度の咳やくしゃみ
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稀に全身性のアレルギー反応
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初回は必ず医療機関で服用し、安全性を確認する
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毎日欠かさず服用する必要があり、継続が重要
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妊娠中・授乳中の方や重度の喘息をお持ちの方は事前相談が必要
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発熱や体調不良時は服用を一時的に中止することがある
治療開始に適したタイミング
舌下免疫療法は花粉症の症状が出ている最中に始めるのではなく、症状が落ち着いている時期からスタートすることが重要です。
特にスギ花粉症の場合は、花粉が飛散し始める2〜3か月前の9月〜12月頃に治療を開始すると効果的です。
これは、体を徐々にアレルゲンに慣らしていく必要があるためで、花粉が飛んでいない時期に始めることで副作用も少なく安全に治療が進められます。
また、ダニアレルギーの場合は通年性の症状であるため、基本的にいつからでも開始可能です。
ただし、体調が安定している時期に始めることが望ましく、重度の喘息や感染症がある場合は一時的に開始を見送ることもあります。
治療をスムーズに進めるためには、医師と相談しながら最適なタイミングを決めることが大切です。
よくある質問
最低でも2〜3年以上の継続が推奨されます。
気づいた時点で1回分を服用し、2回分をまとめて飲むことは避けてください。
口のかゆみなど軽度であれば経過観察し、強い症状が出た場合はすぐに服用を中止して、医療機関を受診してください。
新規での治療開始は避けますが、既に治療中の場合は医師と相談しながら継続可否を判断します。