睡眠時無呼吸症候群とは

睡眠時無呼吸症候群（Sleep Apnea Syndrome：SAS）は、睡眠中に呼吸が一時的に止まる、または浅くなる状態が繰り返される病気です。

代表的なのは「閉塞性睡眠時無呼吸症候群（OSAS）」で、睡眠中に舌や喉の筋肉が緩み、気道がふさがることで無呼吸が起こります。
無呼吸が起きると脳は酸素不足を感知し、眠りが浅くなるため、ぐっすり眠れず日中の強い眠気や集中力の低下を引き起こします。
また、無呼吸が繰り返されることで高血圧、不整脈、糖尿病、心筋梗塞、脳卒中などの生活習慣病や重篤な病気のリスクが高まります。

肥満や首回りの脂肪、扁桃肥大、顎の骨格の影響などが主な原因とされ、中高年の男性に多くみられますが、女性や子どもにも発症することがあります。
放置すると健康被害が進行する可能性があるため、早期の診断と治療が大切です。

このような症状はありませんか？

• 大きないびきをかく

• 睡眠中に呼吸が止まっていると指摘された

• 朝起きたときに頭痛やだるさがある

• 日中に強い眠気を感じる

• 集中力や記憶力の低下を感じる

• 夜中に何度もトイレに起きる

• 熟睡感がない、ぐっすり眠れた感じがしない

• 起床時に口が乾いている

• 高血圧や糖尿病を指摘されている

睡眠時無呼吸症候群を放置すると危険な理由

睡眠時無呼吸症候群を放置すると、体内が慢性的な酸素不足となり、さまざまな病気の発症リスクが高まります。

特に深刻なのが心臓や脳への影響です。無呼吸による酸素不足と血圧の急上昇が繰り返されることで、高血圧や不整脈、心筋梗塞、脳卒中など命に関わる病気を引き起こす可能性があります。

また、質の良い睡眠が得られないため、日中に強い眠気が生じ、仕事や勉強への集中力低下、居眠り運転による交通事故など、社会生活にも大きな影響を及ぼします。
さらに、糖尿病やメタボリックシンドロームなどの生活習慣病との関連も強く、放置すればするほど症状が悪化する悪循環に陥ります。

これらのリスクを防ぐためには、早期に適切な診断と治療を受けることが重要です。

治療方法

CPAP（シーパップ）療法

CPAP療法は「持続陽圧呼吸療法」とも呼ばれ、睡眠時無呼吸症候群の治療において最も効果的とされる方法です。

専用の機械から一定の圧力をかけた空気を鼻に装着したマスクを通して送り込み、睡眠中に気道が塞がらないように保ちます。
これにより無呼吸やいびきが大幅に減少し、睡眠の質が改善されます。日中の強い眠気や疲労感も軽減されるため、仕事や生活の質が向上します。
また、高血圧や心筋梗塞、脳卒中などの合併症を予防する効果も期待できます。

初めは装着に違和感を覚えることがありますが、使い続けることで慣れる方が多く、安定した効果を得られるため、継続して使用することが大切です。

マウスピース（口腔内装置）

下あごを前に出す形に固定するマウスピースを装着し、気道を広げて無呼吸を防ぐ治療法です。
軽症から中等症の方に適しており、持ち運びがしやすく旅行先でも使用できます。
歯科での製作が必要です。

生活習慣の改善

肥満は睡眠時無呼吸症候群の大きな原因となるため、減量が有効です。
また、寝酒や睡眠薬は気道を緩めて悪化させる可能性があるため注意が必要です。横向きで寝る、禁煙を心がけるなど、日常生活での工夫も治療の一環となります。

よくある質問